メンタルヘルスについて

メンタルヘルスケアの重要度が増している

健康維持と聞くと身体の健康をイメージする人が多いでしょう。食生活と衛生などに気をつけていれば、身体の健康は保てそうです。しかし、健康というのは身体だけのことではありません。心の健康も大事です。特に最近ではメンタルヘルスの重要度が高まっています。産業医面談においても、メンタルヘルスに関する事項を重視する傾向が強いです。

メンタルヘルスに重点が置かれる背景には、長時間労働やストレス過多な環境における精神的な疲労が挙げられます。

肉体の疲労と比べて精神的な疲労の場合には、自分で気づかないケースも多いです。怪我などと異なり、外見からもはっきりとは分かりません。そのため、かなり酷い状態になってしまうまで、疲弊し続けてしまう人が多いのです。

産業医には、そのような精神的に疲弊した状態の社員への対応が求められます。また、自分で精神的な疲労を訴えて産業医に相談する社員もいるでしょう。産業医が適切に対応することで、精神疾患を未然に防止できることもあります。

 

ストレスチェックを実施する

メンタルの不調が続き精神疾患を発症してしまうケースが最近増えています。過労で自殺に追い込まれてしまう例もあることから、2015年12月からストレスチェックが義務付けられました。対象となるのは、従業員が50人以上いる職場です。つまり産業医がいる職場なら、ストレスチェックを実施しなければなりません。

ストレスチェックにより、産業医が社員の異常に気づくケースも多いです。以前までなら、精神疾患の疑いがある社員に関しては、休職を勧めるのが一般的でした。

しかし、仕事を続けながら、精神疾患を治療しようとする試みが最近では増えています。比較的程度の軽い精神疾患なら、仕事を続けながらでも治療できることが多いです。

ただ、産業医は精神科が専門とは限りません。内科医や外科医などのケースも見られます。また、産業医の多くは常勤として勤務しているわけではなく非常勤です。1ヶ月に数日程度しか、職場に来ないケースも多く、限られた時間の中での対応が大きな課題となっています。